キャリアアドバイザーとして働きながら、「辞めたい」という気持ちが頭を離れない。
そう感じているのに「本当に辞めていいのか、もう少し続けるべきか」の判断がつかず、モヤモヤしたまま過ごしている方は少なくありません。
この記事では、人材紹介3社のCA組織を立ち上げてきた著者が、辞めたいと感じる理由のリアルな実態と、「これは辞めていい状況か、それとも続ける余地があるか」を見極めるための1つの判断軸を解説します。
辞めるにしても続けるにしても、自分で判断できる材料を持ち帰ってもらえればと思います。

キャリアアドバイザーとして働きながら、「辞めたい」という気持ちが頭を離れない。
そう感じているのに「本当に辞めていいのか、もう少し続けるべきか」の判断がつかず、モヤモヤしたまま過ごしている方は少なくありません。
この記事では、人材紹介3社のCA組織を立ち上げてきた著者が、辞めたいと感じる理由のリアルな実態と、「これは辞めていい状況か、それとも続ける余地があるか」を見極めるための1つの判断軸を解説します。
辞めるにしても続けるにしても、自分で判断できる材料を持ち帰ってもらえればと思います。

監修者
株式会社アイジール 代表
株式会社エス・エム・エスへの第二新卒での入社をきっかけに人材業界へ足を踏み入れる。その後、株式会社プレックスの創業メンバー・役員として約3年間、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを含む業務全般を経験。現在は株式会社アイジールにて、キャリアアドバイザーを中心とした人材・HR業界特化の転職エージェント事業を運営。

キャリアアドバイザー(CA)の「辞めたい」という気持ちは、ランダムに訪れるわけではありません。
CA組織の採用・育成に関わってきた経験でいうと、最も離脱が多いのは入社後2〜4ヶ月目です。
辞めたいと感じること自体が、特定の時期に集中して起きやすいパターンがあります。
入社直後は研修・ロールプレイ・社内学習に集中できるため、まだ気持ちに余裕があります。
問題が表面化するのは、テレアポや架電ノルマをこなしながら面談件数を積み上げていく段階に入ってからです。
架電しても断られ続け、面談はできても成約には至らず、「いったい自分は誰の役に立てているのか」という実感がゼロに近い時期が続きます。
「きつい」というより「虚しい」に近い感情が積み重なり、2〜4ヶ月目頃に「この仕事、自分に向いていないかもしれない」という気持ちが最高潮に達するケースが多いです。
「辛い・向いていないかも」という気持ちが最も強くなるのが、まさにこの時期です。
「誰かの役に立てた実感がない状態でノルマだけ追われる」この時期の消耗感が、早期離脱の最大の引き金になっています。
辞めたい気持ちが最も強い時期は、多くの場合「最初の成約が出る直前」です。
最初の1件を経験すると、「自分でも誰かの役に立てた」という実感が初めて生まれます。
その体験が継続の動機になり、「どうやったらまた成約できるか」という改善サイクルが回り始めます。
最初の成約を経験するまでの時期をどう乗り越えるかが、CA1年目で最も重要な関門といえます。
1年を超えたCAは成約の感覚が身につき始め、2年目以降は「自分なりのやり方をどう磨くか」という段階に移行していく方が多いです。
「初成約の体験が積み重なるほど、辞めたいという気持ちが薄れていく」というのが、現場を見てきた正直な感想です。

CAが辞めたいと感じる理由は、大きく5つのパターンに集約できます。
1つだけが重なっているケースもあれば、複数が同時に来て限界を感じるケースもあります。
どれに当てはまるかを把握しておくことが、「辞めるべきか続けるべきか」の判断に直結するでしょう。
CAは基本的に営業職です。
月次の売上目標・成約件数・面談件数はすべて数値で管理され、成果が出なかった月には収入が大幅に落ちる会社も少なくありません。
「先月うまくいったのに今月はゼロ」という経験を繰り返すうちに、毎月末が近づくたびに気持ちが重くなるという状態に陥りやすいです。
インセンティブ比率が高い会社では月の手取りが想定の半分以下になることもあり、将来への不安感が「辞めたい」という気持ちを加速させます。
パーソル総合研究所の2025年調査によると、職場への不満として「求められる成果が重すぎる」が2019年と比べて上昇しており、成果へのプレッシャーが離職の引き金になりやすい傾向は職種を問わず強まっています(*1)。
*1: パーソル総合研究所「離職の変化と退職代行に関する定量調査」(2025年)
CAには求職者の転職に関わる感情を受け止め続ける「感情労働」の側面があります。
求職者の焦り・不安・愚痴・ときには怒りを一身に引き受けながら、「もう少し一緒に考えましょう」と言い続ける日々は、想像以上に精神を消耗させます。
数ヶ月かけてサポートしてきた求職者が突然音信不通になったり、最終面接直前でキャンセルになったりすることも珍しくありません。
「頑張ってきた時間が一瞬で消えた」という感覚が蓄積すると、仕事のモチベーションが大きく揺らいでしまいます。
感情労働による消耗は身体的な疲れとは異なるため、「なぜこんなに疲れているのかわからない」という状態にもなりやすいです。
「精神的にこんなに疲れているのに、理由がうまく説明できない」という感覚がある場合、感情労働の消耗が原因のことが多いです。
CAは求職者と採用企業の双方に対して誠実に向き合わなければならない立場です。
求職者の希望を優先したいのに企業側の要求も満たさなければならない。
その板挟みの中で、「本当にこれは求職者のためになっているのか」と自問する場面が増えていくと、仕事の意味が見えにくくなってきます。
両面型CA(求職者対応と企業開拓を1人で担う)の場合、板挟み感に加えて業務量的な消耗も重なるため、きつさの絶対量が高くなりやすい傾向があります。
「求職者に寄り添いたいのに売上を求められる」というジレンマが続くと、仕事への違和感が積み重なっていくものです。
在職中の求職者は平日日中に面談できないため、19時〜21時以降の夜間や土日に面談が設定されやすいです。
22時を超えて面談が終わることも珍しくなく、プライベートの時間が徐々に削られていく感覚が積み重なります。
厚生労働省「労働安全衛生調査(令和6年)」によると、仕事や職業生活でストレスを感じている労働者の割合は68.3%に上っており(*2)、長時間労働はその代表的な要因として挙げられています。
「家に帰っても次の面談の準備をしなければいけない」という状態が続くと、オンとオフの切り替えができなくなっていきます。
常に仕事を引きずる状態は、精神的な消耗を加速させます。
「人の役に立ちたい」という動機でCAになった方が、入社後3〜4ヶ月で「実態は違った」と感じるケースは非常に多いです。
実際の業務はKPI管理・テレアポ・架電ノルマが中心で、1人の求職者にじっくり向き合う時間は思ったよりも少ないのが現実です。
この「理想と現実のギャップ」が解消されないまま続くと、「自分がやりたかったのはこれじゃない」という気持ちが、辞めたい理由の中核になっていきます。
「本当に誰かの役に立てているのか」という問いに答えが出せないまま消耗する状態は、スキル不足の問題とは別の次元の辛さです。
Job総研「2025年 退職に関する意識調査」では、退職への心理的ハードルが「下がっていると思う」と回答した社会人は94.3%、また早期離職を「当たり前だと思う」と答えた割合は77.8%に上ります(*3)。
「辞めたいと感じること」自体は、決して特別なことではありません。
*3: Job総研「2025年 退職に関する意識調査」(パーソルキャリア株式会社)
辞めたいと感じる理由は複数が重なることが多く、1つを取り除けば解決するという単純な話ではないことも多いです。
ただし、その理由が「自分で変えられるもの」か「会社の構造的な問題」かによって、取るべき行動はまったく変わります。
担当件数を絞って丁寧にCAをサポートする環境に移るだけで、状況が大きく変わるケースも少なくありません。
CA職のリアルを知る専門家に話してみるだけで、判断の視野が広がることもあります。ぜひ一度アイジールジョブへご相談ください。

辞めたいと感じたとき、それが「辞めていい状況か」を見極める軸はたった1つです。
「それは自分の責任か、会社の責任か」。
この切り分けができるだけで、判断はずっとシンプルになります。
以下に当てはまる場合、環境を変えても同じ問題が繰り返される可能性があります。
スキル不足(ヒアリング力・提案力・クロージング力)が原因で成果が出ていない
成果を出している同僚のやり方を参考にしていない
うまくいかない原因をすべて外部に求めている
前職のやり方に固執して、今の職場で試そうとしていない
テレアポや泥臭い行動量を避けている
これらは自分の行動で変えられる問題です。
「自分のやり方を変えれば解決できる問題」であれば、転職してもまた同じ壁にぶつかる可能性が高いです。
辞める前に「自分で変えられることを変え尽くしたか」を確認することが、判断の出発点になります。
一方、以下のような状況は個人の努力でどうにもなるものではありません。
早く辞めた方がいいケースです。
ハラスメントが常態化している
インセンティブの設計が不透明、または後出しで変更される
有給が取れない・残業代が出ないなど法的問題がある
ビジネスモデル自体が求職者の利益を損なう構造になっている
1年以内の離職が当たり前になっている
パーソル総合研究所の調査によると、退職代行を利用した人のうち直属上司からのハラスメント経験率は42.3%という結果が出ています(*1)。
ハラスメントが背景にある「辞めたい」は、「続けるべきかどうか」を悩む話ではなく、「どう辞めるか」を考える段階に進んでいいと思います。
「今辞めたら迷惑がかかる」という罪悪感を感じることもあるかもしれませんが、消耗しきった状態では質の高い仕事はできません。
自分のキャリアを守ることは、正当な判断です。
「自分の責任か会社の責任か」が明確に分けられないケースも多いのが実情です。
そういうときに使えるのが、「同じ環境で成果を出している同僚がいるかどうか」という問いです。
成果を出している同僚がいるなら、環境だけの問題ではない可能性があります。
逆に、周囲全員が疲弊していて定着率が極端に低い職場であれば、構造的な問題の可能性が高いです。
「自分だけが辛いのか、全員が辛いのか」を観察するだけで、判断の精度はかなり上がります。

判断軸を確認した結果「まだ自分の行動で変えられる余地があるかもしれない」と感じた方に向けて、試してほしいことを3つお伝えします。
これらを試した上でも状況が変わらなければ、そのときに改めて辞める判断をしても遅くはありません。
これまで多くのCAと一緒に働いてきた中で、最も即効性が高い方法は「成果を出している人に直接話を聞くこと」でした。
自己流でうまくいかないとき、「この人はなぜうまくいっているのか」を直接聞いてみると、意外なほどシンプルなことをやっていたというケースがよくあります。
社内にそういう人がいなければ、SNSや業界イベントで社外のCAと話してみることも有効です。
「こういうやり方があるんだ」という感覚の変化が、仕事の見え方をガラッと変えるきっかけになることは少なくありません。
求職者から「どんな求人を紹介してほしいか」を聞いて条件に合う求人を渡すだけの「御用聞き型CA」は、AI普及によって急速に価値を失いつつあります。
一方、求職者が自覚していない本音の悩みを引き出し、「この人に頼みたい」と感じさせるCAは、AIには代替が難しい部分を担っています。
「辞めたい」という気持ちが「仕事の手ごたえが感じられない」ことに起因している場合、この意識転換が突破口になることがあります。
「条件の整合」ではなく「課題の解決」を意識するだけで、面談での手ごたえが変わり始める方は多いです。
「自分は求職者の本音を引き出せているか」という問いを持って面談に臨むことが、最初の一歩になります。
自社・求職者・採用企業の三者の利益を同時に意識することで、判断に迷う場面が減り、行動のブレがなくなっていきます。
求職者への貢献だけを優先すると、売上につながらず評価されない。
売上だけを優先すると、求職者からの信頼を失う。
三者のバランスを意識することで精神的にも楽に仕事ができるようになる、というのが実際に現場を見てきた率直な感想です。
「誰かに都合よく使われている感覚」が薄れ、仕事の意味を感じやすくなるという方も多いです。
「どうすれば3者が全員得をするか」と考え始めると、悩む時間が明らかに減ります。
「続けるべきかどうかを含めて、誰かに相談したい」という段階の方もいると思います。
CA職専門のエージェントなら、向き不向きの本音も話しやすい環境があります。
アイジールジョブはCA経験者が運営しており、担当を10〜20名に絞って丁寧にサポートしています。
気持ちの整理がまだついていない段階でも、ぜひ一度アイジールジョブにご相談ください。

辞める決断をした後、「次は何をするか」という話に移ります。
採用する側の視点でいうと、CA経験が最も活きやすいのは「人を扱う職種か、高単価な無形商材を扱う営業職」です。
CAで培ったヒアリング力・提案力・交渉力・KPI達成経験は、複数の職種で即戦力として評価されます。
CA経験者の転職先として最も多いのが、企業の採用人事(採用担当)です。
エージェント出身者は「採用企業側がどう動くか」「選考でどんなことを見ているか」を熟知しており、採用現場で即戦力として評価されやすいという構造があります。
採用担当への転職は、エージェント経験が直接活きるため、異業種からの転職に比べて選考通過率が高くなりやすい傾向があります。
HRBP(HRビジネスパートナー)や労務への転職も人事職の選択肢ですが、CA業務との親和性が最も高いのは採用担当です。
「採用の裏側を知っている」というCA経験は、採用人事としての実践力を最速で発揮できる強みになります。
インサイドセールス(IS)は、テレアポ・ヒアリング・提案・クロージングというプロセスがCAの面談スキルと構造的に一致しています。
SaaS・IT企業のIS職は求人が多く、CAからの転職経路として定着しつつある職種の一つです。
IS職は2025〜2026年においても求人が旺盛な状況が続いており、転職しやすいタイミングです。
「架電→ヒアリング→提案→クロージング」という流れで実績を積んできたCAにとって、IS職への適応コストは他の職種より低い傾向があります。
CAとして面談の手ごたえを感じてきた方ほど、IS職でも早期に成果を出しやすいです。
無形商材の営業経験・KPI達成経験はSaaS営業やコンサルティング職でも高く評価されます。
特にBtoB SaaS営業・経営コンサルタント・M&A仲介は、「高単価な無形商材の提案・交渉」という点でCAとの親和性が高い職種です。
IT・コンサル系は年収ポテンシャルも高く、CAで培った「課題発見→提案」の思考回路がそのまま活きます。
「無形商材×成果主義」の環境に慣れているCAは、これらの職種への転職において強みを発揮しやすいです。
ただし、業界・職種によって求められるスキルセットは異なるため、転職前に具体的な仕事内容を確認することをおすすめします。
「CAできつい思いをしてきたからこそ、コンサルや営業職での交渉場面で強みが出る」という声は少なくありません。
「CA職は辞めたいけど人材業界は好き」という方には、もう1つの選択肢があります。
物流・建設・介護・看護などエッセンシャルワーカー系に特化した人材紹介会社への横移動です。
業界に長くいると実感することですが、エッセンシャルワーカー系の特化型人材紹介は競合が少なく、採用企業との関係を構築しやすい傾向があります。
朝型の業界が多いため20時〜20時半には帰宅できるケースが多く、夜間面談の多さが辞めたい理由だった方にとっては働き方の改善が期待できます。
大手ホワイトカラー系と比べて件数が積み上がりやすく、早期から成果を出しやすい構造の会社が多いという特徴があります。
ただし入社先によって実態は大きく異なるため、転職前に職場環境を具体的に確認することが重要です。
「CA職のスキルを活かしながら、働き方を整えたい」という方に向いている選択肢です。

キャリアアドバイザーは何年で辞める人が多いですか?
「向いていない」と感じたら辞めた方がいいですか?
CAを辞めたいけど、転職先が見つかるか不安です
CAの経験は他の職種でも活かせますか?
辞めるなら何月頃がベストですか?
【免責事項】
※本記事に記載の数値・事例は参考情報であり、個人の状況や転職先によって結果は異なります。転職の意思決定は、ご自身の状況を踏まえた上でご判断ください。
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監修者
株式会社アイジール 代表取締役
株式会社エス・エム・エスへの第二新卒での入社をきっかけに人材業界へ足を踏み入れる。その後、株式会社プレックスの創業メンバー・役員として約3年間、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを含む業務全般を経験。現在は株式会社アイジールにて、キャリアアドバイザーを中心とした人材・HR業界特化の人材紹介事業を運営しております。