深夜まで求職者の対応をして、翌朝には採用企業への報告書を仕上げて、それでもノルマの数字は届かない。上司からのプレッシャーは日増しに強まり、「自分にはこの仕事が向いていないのかもしれない」と思い始めている方も多いのではないでしょうか。
この記事を読んでいるあなたは、おそらくそんな状態に近いのではないかと思います。
結論からお伝えします。辞めるかどうかの判断軸は、たった一つです。
「それは自分の責任か、会社の責任か」
自分の責任なら、辞めないことも立派な選択肢です。成長の余地があります。でも会社の責任なら、今すぐ辞めていいです。むしろ早く辞めた方がいいでしょう。
この記事では、キャリアアドバイザーとして複数の人材紹介会社の立ち上げ・経営を経験し、現在はCA特化の人材紹介会社・株式会社アイジールを運営する筆者が、「辞めるべきケース」と「辞めない方がいいケース」を明確に整理します。
■監修:株式会社アイジール(植田)

株式会社エス・エム・エスへの第二新卒での入社をきっかけに人材業界へ足を踏み入れる。
その後、株式会社プレックスの創業メンバー・役員として約3年間、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを含む業務全般を経験。
現在は株式会社アイジールにて、キャリアアドバイザーを中心とした人材・HR業界特化の人材紹介事業を運営しております
この記事の構成
キャリアアドバイザーが「辞めたい」と感じる5つのリアルな理由
判断軸:「自分の責任 vs 会社の責任」でわかれる
【自分の責任】辞める前に試すべき3つのこと
【会社の責任】すぐに辞めていいケースの見極め方
CAを辞めた後のキャリアはどうなるか
それでも続けたいなら知っておきたい「CA職のリアルな未来」
まとめ:あなたに必要なのは「決断の軸」だ
第1章|キャリアアドバイザーが「辞めたい」と感じる5つのリアルな理由

まず前提として確認しておきたいのですが、あなたが「辞めたい」と感じているのは、決して珍しいことではありません。
CA(キャリアアドバイザー)の離職率は他の職種と比べても高い部類に入ります。それには構造的な理由があります。
① ノルマと数字のプレッシャー
CAは基本的に営業職です。月次の売上目標、成約件数、面談件数——あらゆる行動が数値化され、常に「達成か未達か」の世界で生きることになります。
未達が続けば、上司からの詰め、同僚との比較、給与への直撃と、三重苦がやってきます。特にインセンティブ制の会社では、成果が出ない月は手取りが激減します。「頑張っているのに報われない」という感覚が積み重なると、精神的に限界を迎えやすくなります。
ただしここで一度立ち止まって考えてみてください。「ノルマが達成できない」のは、本当に環境のせいだけでしょうか?
② 求職者からのクレーム・板挟みストレス
求職者とのやり取りで傷つくケースも多くあります。「良い転職先を紹介してくれると思っていたのに、期待外れだった」「こんな求人を紹介されるとは思わなかった」——こうした言葉は、頑張っているCAほどダメージが大きいものです。
一方で採用企業からも「御社に期待していたのに」というプレッシャーがかかってきます。求職者と企業、双方の期待に応えようとするほど、板挟みになってメンタルが削られていきます。
両面型のCAなら特にこの構造は顕著で、誰かをがっかりさせてしまう場面は避けられません。
③ 長時間労働・残業
大手人材紹介会社でホワイトカラー人材を担当している場合、求職者は昼間は働いているため、どうしても面談が夜や土日にずれ込みます。22時を超えた面談も珍しくありません。
「仕事が好きだから頑張れる」という気持ちだけでは、身体が持たない時期が必ず訪れます。睡眠時間を削って対応し続けることの代償は、ある日突然やってくるものです。
④ 給与・インセンティブへの不満
CAの年収は会社規模や実力によって大きく異なります。大手のホワイトカラー系であれば450〜650万円程度で比較的安定している一方、中小やインセンティブ比率の高い会社では成果次第で360万円台まで下がることもあります。
「こんなに働いているのに、なぜこの給与なのか」という不満が積み重なると、仕事への意欲そのものが失われていきます。
⑤ 仕事の意味・やりがいが見えなくなる
CAという仕事の本質は、「人生を変える仕事」です。ある求職者は転職後にこう言ってくれました。「あなたのおかげで年収が上がって、家族と美味しい食事をしたり、旅行に行けるようになった」と。
転職は個人だけでなく、その周囲の人にまでポジティブな影響を波及させる可能性があります。一人のキャリアが良くなることで、複数の人の人生が良くなる——これがこの仕事の本当のやりがいです。
しかし、日々のノルマや雑務に追われていると、そのやりがいが見えなくなってきます。「自分は何のためにやっているのか」という問いに答えられなくなった時、辞めたいという気持ちは最大化します。
第2章|判断の軸:「自分の責任 vs 会社の責任」

「辞めたい」と感じた理由が分かったところで、次に最も重要な問いに向き合いましょう。
その「きつさ」の根本原因は、自分にあるのか、会社にあるのか。
この判断を間違えると、転職してもまた同じことを繰り返します。逆に正しく見極めれば、最適な行動が見えてきます。
「自分の責任」とは何か
自分の責任とは、スキルや経験、マインドセットに起因する課題のことです。
具体的には以下のようなケースがあてはまります。
成果が出ない原因がスキル不足(ヒアリング力・提案力・クロージング力)
成果を出している同僚のやり方を真似しようとしていない
他責思考が強く、うまくいかない原因を環境や会社に求めがち
前職のやり方に固執して、CAとしての動き方を変えられていない
泥臭い行動(電話数を増やす、資料を作り直すなど)を嫌がっている
こうしたケースは、環境を変えても根本は解決しません。転職先でも同じ課題にぶつかる可能性が高いです。
つまり、自分の責任であれば——「辞めないことも立派な選択肢」です。 今の環境で課題と向き合い、乗り越えた先にこそ、次のステージがあります。
「会社の責任」とは何か
一方、会社の責任とは、組織の構造や文化に起因する問題のことです。
以下のような状況は、個人の努力ではどうにもなりません。
コンプライアンス違反や不正が常態化している
ハラスメントが横行しており、上司や同僚からの精神的暴力がある
インセンティブの設計が不透明で、頑張っても正当に評価されない構造になっている
休みが取れない・有給が使えないなど、労働基準法に明らかに違反している
会社のビジネスモデル自体が求職者の利益を損なう構造になっている
これらは「自分が成長すれば解決する」という話ではありません。こういう会社に居続けることは、自分のキャリアにも精神にも悪影響を与え続けます。
会社の責任であれば——今すぐ辞めていいです。むしろ早く辞めるほど傷が浅いです。
グレーゾーンをどう判断するか
「自分の責任か会社の責任か」は、白黒つけにくいケースもあります。
その場合は、こう自問してみてください。
「自分と同じ環境で、成果を出している同僚は存在するか?」
もし成果を出している人が存在するなら、環境の問題だけではない可能性が高いです。やり方や考え方に改善の余地があるはずです。
逆に、周囲全員が疲弊し、定着率が極端に低く、長くいる人が誰もいないような職場なら、それは構造的な問題です。
第3章|【自分の責任の場合】辞める前に試すべき3つのこと

「これは自分の課題だ」と気づいたなら、転職より先にやるべきことがあります。CAとして経営者目線で多くの人を見てきた経験から、本当に効果があった方法を3つお伝えします。
① 成果を出している人の話を聞きまくる
これが最も即効性が高い方法です。
CAの仕事を独学で身につけようとしても、正しい方向性が分からなければ努力は空回りします。まず先にやるべきは「うまくいっている人の話を聞くこと」です。
社内に成果を出している先輩がいれば、その人の1日の行動、提案の言い方、求職者との関係の作り方を徹底的に真似しましょう。社内にいなければ、社外に聞きに行けばいいです。勉強会、SNS、業界イベント——方法はいくらでもあります。
大事なのは「こうやったら上手くいくかも」という感覚を持てることです。これがなければ「どうせ無理だ」というネガティブな先読みが先走ってしまいます。逆にこれが見えると、行動のスピードが変わります。
② 「御用聞き」から「問題解決者」への意識転換
CAをやっていて成果が出ない人に多いのが、「御用聞き型」のスタンスです。
求職者の希望条件を聞いて、それに合う求人を探して渡す——この繰り返しでは、成果もやりがいも上がりません。
AIが発達した今、条件マッチングは機械の方が遥かに速くて精度が高いです。「御用聞き型のCA」は、近い将来、確実に価値を失います。
一方で、求職者が言語化できていない本音の悩みを引き出し、現実的なキャリアの方向性を一緒に考え、「この人に頼みたい」と思わせるCAは、AIには代替できません。
「自分がいることで何の価値が生まれているか」を問い直すことが、スランプ脱出の糸口になります。
③ 「3者の利益を最大化する」視点を持つ
CAとして長く活躍し続けている人には、共通した考え方があります。それは、「自社・求職者・採用企業、三者の利益が最大化されるように動く」 という視点です。
「眼の前の求職者に貢献したい」という気持ちだけが強すぎると、売上に繋がらず会社から評価されなくなります。逆に売上だけを意識していると、求職者や採用企業からの信頼を失います。
この三者のバランスを意識できるようになると、自分の行動に迷いがなくなり、精神的にも楽になります。仕事の軸が定まるからです。
第4章|【会社の責任の場合】すぐに辞めていいケースの見極め方

ここははっきり言い切ります。会社に構造的な問題がある場合、粘っても意味はありません。むしろ時間を無駄にするだけです。
すぐに辞めていいケース一覧
ハラスメント(パワハラ・セクハラ)が常態化しており、改善される見込みがない
インセンティブの計算が不透明・後出しで変更される
成果を出しても正当に評価されない評価制度になっている
求職者に明らかに不利な求人を「数字のため」に紹介することを強要される
有給が取れない・残業代が出ないなど法的問題がある
上司も含めて誰も定着しておらず、1年以内の離職が常態化している
これらは「慣れる」「頑張る」でどうにかなる問題ではありません。むしろ慣れることで、自分の感覚が麻痺していくことの方が怖いです。
「でも今辞めたら迷惑がかかる」という呪縛
辞めることをためらう理由として、「求職者への責任」「チームへの申し訳なさ」を挙げる方が多くいます。
しかし考えてみてください。あなたが消耗しきった状態で続けることで、求職者に本当に良い支援ができるでしょうか?
自分が限界の状態では、質の高い仕事はできません。求職者のためになっているようで、実はなっていないのです。
辞めることは逃げではありません。自分のキャリアを守る、正当な判断です。
転職先の選び方:同じ轍を踏まないために
会社の責任で辞める場合、次の職場選びが特に重要になります。同じような環境に転職してしまっては意味がありません。
CA職で次を探すなら、特化型エージェントを強くおすすめします。
具体的には、物流・建設・介護・看護などのエッセンシャルワーカー系の特化型エージェントです。理由を整理します。
競合となる人材紹介会社が少なく、大きな成果を出しやすい
エッセンシャルワーカー系は朝型の業界が多く、遅くても20時〜20時半には帰宅できる会社が多い
業界特化なので2週間程度でキャッチアップでき、1〜2ヶ月目から成約を出しやすい
年収も安定して出やすく、うまくいけば1,000万〜1,600万円を稼ぐ事例もある
大手のホワイトカラー系人材紹介は、AIの普及によって求職者数が減少傾向にあり、「大手=安心」という図式は崩れつつあります。固定概念は捨てて、成果が出やすい環境を選ぶことが重要です。
第5章|CAを辞めた後のキャリアはどうなるか

「CAを辞めたら、次に何ができるのか」という不安は当然あります。しかし、CAとして培ったスキルは、想像以上に汎用性が高いです。
CAで身につくスキルの市場価値
CAの仕事を通じて身につくのは、単なる「求人紹介スキル」ではありません。
ヒアリング力:相手の本音を引き出す力
提案力:複数の選択肢を整理し、最適解を提示する力
交渉力:双方の利益を調整しながら合意を形成する力
数字管理:目標に向かってKPIを追う習慣と分析力
メンタル耐性:プレッシャーの中で動き続ける精神的な粘り強さ
これらは、営業職・コンサルタント・HR担当・事業開発など、多くの職種で求められるスキルです。
CAからの主な転職先
実際にCA出身者が転職するケースで多いのは以下のような職種です。
他の人材会社・エージェント(RA・CAとして同業種での再挑戦)
企業の人事・採用担当(エージェント経験が重宝される)
BtoB営業・法人営業(ヒアリング・提案力が直結)
キャリアコンサルタント(有資格者としての独立も選択肢に)
HRテック・採用SaaS企業のIS・FSポジション
特に企業の人事採用は、エージェントとの交渉経験や求人票の読み方を熟知しているCAに対するニーズが高くなっています。「エージェント出身者は即戦力」という評価は業界では一般的です。
「CAスキルは他で活かせない」は誤解
「転職支援の仕事しかできないんじゃないか」という不安を持つ方もいます。しかし、CAとして本質的な営業スキルを身につけているなら、むしろ市場価値は高いです。
問題は「何年CAをやったか」ではなく「どんな力を身につけたか」です。御用聞き型で何年やっていても、スキルは蓄積されにくいです。一方、3者の利益を意識しながら問題解決型で動いてきたCAは、短期間でも市場価値が高くなります。
第6章|それでも続けたいなら知っておきたい「CAのリアルな未来」

「辞めるつもりはないが、この仕事に将来性はあるのか」という疑問を持つ方のために、AI時代のCAの現実を整理しておきます。
AIに代替されるCAの特徴
率直にお伝えします。今後10年で「仕事の一部」は確実にAIに代替されます。特に以下のタイプのCAは、AIに仕事を奪われるリスクが高いです。
条件を聞いて条件に合う求人を渡すだけの「御用聞き型」
求職者の言う通りに動くだけで、プロとしての提案をしない
業界知識が浅く、求人票以上の情報を提供できない
これらは、AIの方が速く・正確にできる仕事です。
AIに代替されないCAの特徴
一方、以下のタイプのCAは、むしろAI時代に価値が上がります。
求職者が言語化できていない本音を引き出し、整理できる
話しているだけで「この人に頼みたい」と思わせる信頼感を持つ
AIを業務効率化に使いながら、人間としての付加価値を高めている
市場や業界の変化を的確に読み、求職者・採用企業に先手の情報提供ができる
つまり、AIで代替できる業務はAIに任せ、人がやることで納得感や安心感が生まれる領域に特化しているCAは、年収も責任も上がっていきます。
AIは「情報の検索と提示」は得意ですが、「人の感情を動かし、信頼関係を構築する」ことはまだ苦手です。この領域に強みを持てれば、CAとしての未来は十分に明るいでしょう。
CA職で年収を上げるための現実的な方法
年収を上げたいなら、以下の順で行動することをおすすめします。
まずエッセンシャルワーカー特化型エージェントを視野に入れる(成果が出やすく、ワークライフバランスも良い)
両面型CAとして求職者・採用企業の両方に関わる経験を積む(市場価値が一段上がる)
AIツールを積極的に使って業務効率化し、商談や面談の質を上げることに時間を使う
業界特化の専門知識を深め、「この業界のことはこの人に聞け」というポジションを作る
まとめ|あなたに必要なのは「決断の軸」だ
「キャリアアドバイザーを辞めたい」という気持ちは、弱さではありません。それは、真剣に仕事と向き合っている証拠です。
ただし、その感情に流されて判断を誤ると、転職後も同じことを繰り返してしまいます。
もう一度、判断の軸を確認しましょう。
✅ 自分の責任(スキル・マインド)→ 辞めないことも選択肢。成長すれば道は開ける
🚨 会社の責任(構造・ハラスメント・不正)→ 今すぐ辞めていい。早く動くほど傷が浅い
そしてどちらの場合も、この仕事で培ったスキルは確実に次に活きます。
CAという仕事の本質は変わりません。人の人生に関わり、転職という大きな決断をサポートし、「あなたのおかげで人生が変わった」と言ってもらえる——そんな仕事は、そうそうありません。
辞めるにしても、続けるにしても、その選択がクリアになった状態で踏み出してください。
キャリアの主語は、常にあなた自身です。
キャリアアドバイザーを辞めるか相談したい方へ

弊社、株式会社アイジールでは、キャリアアドバイザー特化の転職支援を行っております。
・1人あたり20時間以上のサポート
・人材業界出身のメンバーが運営
・他社にはない、キャリアアドバイザー求人が1万件以上
という特徴があります。
完全無料のため、転職するかどうか迷っているという段階でも相談可能です。
まずはLINEに登録するか、直接フォームから登録してご相談ください

