「また音信不通か…」
「今月も数字が届かない…」
「今日も22時まで面談だ…」
CA(キャリアアドバイザー)がつらいのは、意志が弱いからでも、向いていないからでもありません。
この仕事には、つらくなりやすい瞬間がいくつもあります。
この記事では、現場でよく起きているつらさのパターンを整理したうえで、「今日からできる具体的な対処法」に絞ってお伝えします。
転職も一つの選択肢ですが、まず今のしんどさを少し楽にすることが先決です。

「また音信不通か…」
「今月も数字が届かない…」
「今日も22時まで面談だ…」
CA(キャリアアドバイザー)がつらいのは、意志が弱いからでも、向いていないからでもありません。
この仕事には、つらくなりやすい瞬間がいくつもあります。
この記事では、現場でよく起きているつらさのパターンを整理したうえで、「今日からできる具体的な対処法」に絞ってお伝えします。
転職も一つの選択肢ですが、まず今のしんどさを少し楽にすることが先決です。

監修者
株式会社アイジール 代表
株式会社エス・エム・エスへの第二新卒での入社をきっかけに人材業界へ足を踏み入れる。その後、株式会社プレックスの創業メンバー・役員として約3年間、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを含む業務全般を経験。現在は株式会社アイジールにて、キャリアアドバイザーを中心とした人材・HR業界特化の転職エージェント事業を運営。

CAがつらいと感じる瞬間は、「月末の数字プレッシャー」「突然の音信不通」「感情が枯渇してくる感覚」の3パターンに集中します。
まず 「自分だけじゃない」と知ることが、しんどさを少し軽くする最初の一歩です。
月末が近づくと空気が変わります。
朝のミーティングで数字の話が増え、チャットで「今月あと何件いける?」と聞かれ、帰る前に上司に進捗を報告する。
「もう少し頑張れば届くかも」と思って踏ん張るが、気づけば毎月同じサイクルを繰り返している。
令和6年の労働安全衛生調査によると、強いストレスを感じている労働者の割合は68.3%で、原因の1位は「仕事の量」(43.2%)でした(*1)。
CAはその「仕事の量」と「数値への責任」が同時にのしかかる職種です。
「内定を承諾します」と言っていた求職者から、翌日メッセージが返ってこなくなります。
翌々日も、3日後も、何件送っても既読にもならない。
このような経験はCAなら誰しもします。
「自分の何がいけなかったのか」と考え始めると止まらなくなりますが、実際には求職者側の状況変化(職場の改善・家庭の事情・気持ちの変化)が原因であることがほとんどです。
責任感が強い人ほど、コントロールできないことを自分に引き寄せて消耗してしまいます。
最初は求職者の話を聞くのが好きだったのに、気づいたら面談が憂鬱になっている。
不安な求職者を前向きにしなければいけないが、自分自身がもう前向きになれない。
大阪大学の研究では、対人援助職における感情労働の継続がバーンアウト(燃え尽き症候群)と関連することが示されています(*2)。
「しんどい」という感覚は、弱さではなく蓄積のサインです。
*2: 大阪大学リポジトリ「対人援助職におけるバーンアウト・感情労働の関係性」
求職者からは「もっと自分に合った求人を紹介してほしい」と言われ、企業側からは「もっと早く候補者を出してほしい」と言われます。
どちらの期待にも応えようとするほど、自分が消耗していく。
「誰のためにこの仕事をしているんだろう」と思い始めると、仕事の手が止まります。

「なんでこんなにつらいんだろう」と感じるとき、原因はひとつじゃないことが多いです。
今の自分がどんな状態に近いかをざっくり把握すると、対処の方向が見えてきます。
当てはまるものを軽くチェックしてみてください。
数字・ノルマ系:月末に胃が痛くなる・チャットの通知を見たくなくなった
感情消耗系:朝から憂鬱・面談後に一気に疲れが来る
音信不通・手応えのなさ系:内定辞退でしばらく立ち直れない・「自分は不要だったのでは」と思う
職場・環境系:上司のマネジメントがきつい・同僚が次々辞めていく
複数に当てはまる場合は、つらさが複数の方向から重なっている状態です。
一気に全部解決しようとせず、最もきついひとつから対処することを意識してください。

原因を細かく考える前に、ひとつだけ確認してほしいことがあります。
今より悪化しているか?
先月より今月の方がしんどい、先週より今週の方が職場に行くのが怖い。
この方向に進んでいるなら、放置は禁物です。
休んでも回復しないか?
土日に休んでも月曜の朝に戻る気力がない、有給を取っても「また明日から始まる」という感覚しかない。
この状態が続いているなら、対処が必要なサインです。
「原因が自分なのか会社なのか」を細かく分析するより先に、「悪化しているか・回復できているか」だけを判断の起点にしてください。
詳しい判断や転職の是非については、別の記事で整理しています。

ここがこの記事のメインです。
状況別に、「今日からできる行動」を具体的に挙げます。
「考える」より先に「動く」ことで、状況が少し変わることがあります。
まず量を確認する
今週の面談件数を数えてください。
成果を出している先輩と比べて極端に少ないなら、まず量を増やすことが最初の一手です。
今日の面談を1〜2件増やすところから始めてください。
面談の冒頭を録音して見直す
「質を上げたい」と思っていても、自分の面談をそのまま振り返れる機会は多くありません。
求職者の許可を得たうえで面談を録音し、翌朝1本だけ聴き直してみてください。
「最初の5分で何を聞いているか」「求職者が本音を話している瞬間がどこか」が見えてきます。
成果を出している先輩に1問だけ聞く
「どんな質問をすると、求職者が本音を話してくれますか」
この1問を、今週中に職場で成果を出している先輩に聞いてください。
長い相談ではなく、1問だけ聞くのがポイントです。
相手の負担も少なく、返答が具体的になります。
1日1人は「深追いしない」ルールをつくる
音信不通になりそうな求職者を追いかけすぎると、エネルギーが消耗します。
「この1人は明日に回す」というルールを意識的につくるだけで、1日の疲弊感が変わります。
面談後にスマホの通知をオフにする時間をつくる
夜の面談が終わったあと、30分だけ通知をオフにする時間をつくってください。
「返信しなければ」という義務感が常にある状態は、感情の回復を妨げます。
30分の「連絡しない時間」は、小さな回復の起点になります。
「しんどかった」を書き出す
その日に感情的に消耗した出来事を、短くても構わないのでメモに書き出してください。
「〇〇さんに声を荒げられた」「また音信不通になった」という事実を外に出すだけで、頭の中でぐるぐると考え続けることが減ります。
状況を記録しておく
上司から受けた言葉、起きた出来事、日時を記録してください。
記録は「いつか使うかもしれない証拠」である前に、「自分の感覚を正当化するもの」として機能します。
「自分が感じているしんどさは、客観的な事実に基づいている」と確認できるだけで、精神的に安定しやすくなります。
社内に1人だけ相談できる人を見つける
上司でなくても構いません。
同期でも、他チームの先輩でも、「あの人には話せる」と思える人を1人見つけてください。
全部を話す必要はなく、「最近しんどくて」と一言言えるだけで違います。

CAとして真面目に働いている人ほど、特定のパターンにはまりやすくなります。
対処法を試す前に、自分がこのパターンにいないか確認してください。
「音信不通になったのは自分の対応が悪かった」「数字が出ないのは自分の能力が低いせい」と考え続けるタイプです。
責任感の強さは武器ですが、コントロールできないことまで引き受けてしまうと、消耗が止まらなくなります。
「自分が変えられることだけを変える」という線引きが必要です。
「上司が悪い」「会社の仕組みが悪い」「求人が悪い」。全部を外部要因にしていると、自分が動けるものが何もなくなります。
環境に問題があることは事実であっても、今の状況で自分にできることは必ずあります。
その1つを探すことが、現状を変える最初の一歩と言えるでしょう。
「あと1ヶ月頑張ってみよう」が繰り返されると、いつの間にか半年・1年と経過していることがあります。
「いつまで頑張るか」の期限を自分の中で決めておかないと、終わりが見えないまま消耗し続けます。
今日、「〇月末まで試してみる」と決めてください。
「担当している求職者がいるのに休めない」という感覚は、責任感から来るものです。
ただし、疲弊したCAは求職者に質の高い支援ができません。
休むことは逃げではなく、より良い仕事をするための準備です。
「相談しても解決しない」「迷惑をかけたくない」という気持ちから、誰にも言えないまま抱え込んでいるケースがあります。
相談が問題を解決しなくても、「言葉にする」こと自体が消耗を軽くします。

対処法を試しても状況が変わらない、悪化し続けているという場合は、次の3つの行動を考えてください。
有給休暇を使って1〜2日休んでください。
「休んでいいのか」と思う気持ちは分かりますが、消耗しきった状態で働き続けることは、求職者にも自分にもよくありません。
休むことは権利であり、回復のための行動でもあります。
上司に相談しにくい場合は、別のルートを使ってください。
社内の別部署の先輩や人事担当
信頼できる社外のCA経験者
産業医(会社規模によっては利用できます)
「解決策を出してほしい」ではなく「聞いてほしい」という目的で話すだけで十分です。
「今の会社では回復できない」と判断した場合は、次のステップの準備を始めてください。
転職するかどうかの結論を急ぐ必要はなく、情報収集や自身の棚卸しから始めるだけで構いません。
「動けるうちに動く」ことが重要で、消耗しきってからでは選択肢が狭まります。
辞めるべきか続けるべきかの判断基準については、別の記事で詳しく解説しています。

「CAという仕事を離れることも含めて考えたい」という方のために、簡単に整理します。
CAで身につくヒアリング力・提案力・交渉力は、他職種でも評価されます。
事業会社の人事・採用担当:求職者目線・選考設計・採用広報
BtoB営業・法人営業:ヒアリング・提案・交渉・クロージング
コンサルタント(経営・人事):課題整理・提案力
HRテック企業のIS・FS:人材業界の知見・採用担当との対話力
「CA自体は好きだが、今の会社が合わない」という場合は、別領域のエージェントへ移る選択肢もあります。
競合が少なく成果を出しやすく、夜遅い面談が発生しにくい環境です。
人材紹介業界全体の手数料収入は2023年度で約9兆7,156億円と成長している一方(*3)、ホワイトカラー領域では競争環境が厳しくなっています。
次の職場を選ぶ際は、業界構造の変化を踏まえた選択をおすすめします。
*3: 矢野経済研究所「人材ビジネス市場に関する調査(2025年)」

毎朝出勤するのがしんどいのですが、これは普通ですか?
メンタルが限界に近いと感じたとき、最初に何をすればいいですか?
何ヶ月続けてみればいいですか?
しんどいことを誰にも言えません。どうすればいいですか?
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株式会社アイジール 代表取締役
株式会社エス・エム・エスへの第二新卒での入社をきっかけに人材業界へ足を踏み入れる。その後、株式会社プレックスの創業メンバー・役員として約3年間、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを含む業務全般を経験。現在は株式会社アイジールにて、キャリアアドバイザーを中心とした人材・HR業界特化の人材紹介事業を運営しております。