「AIが来ている。自分のCA(キャリアアドバイザー)という仕事は、この先どうなるんだろう」と感じることが増えていないでしょうか。
転職市場が伸びているのは事実です。
ただし、「市場が伸びている=全員のCAに明るい未来がある」とは言いきれない、というのが現場で感じてきた正直なところです。
3社の人材紹介会社の立ち上げに携わってきた経験をもとに、CAという職業の将来性を、データと現場の肌感覚の両面から解説します。

「AIが来ている。自分のCA(キャリアアドバイザー)という仕事は、この先どうなるんだろう」と感じることが増えていないでしょうか。
転職市場が伸びているのは事実です。
ただし、「市場が伸びている=全員のCAに明るい未来がある」とは言いきれない、というのが現場で感じてきた正直なところです。
3社の人材紹介会社の立ち上げに携わってきた経験をもとに、CAという職業の将来性を、データと現場の肌感覚の両面から解説します。

監修者
株式会社アイジール 代表
株式会社エス・エム・エスへの第二新卒での入社をきっかけに人材業界へ足を踏み入れる。その後、株式会社プレックスの創業メンバー・役員として約3年間、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを含む業務全般を経験。現在は株式会社アイジールにて、キャリアアドバイザーを中心とした人材・HR業界特化の転職エージェント事業を運営。

マイナビキャリアリサーチLabの調査(2025年実績)によると、正社員転職率は7.6%と、調査開始以来の最高水準を記録しています(*1)。
人材サービス市場の規模は2023年度に約9.7兆円に達し、10年余りで2兆円以上成長しています(*2)。
この数字が示すのは、「転職という行為が、日本社会に確実に定着してきている」という一点。
*1: マイナビキャリアリサーチLab「転職動向調査2026年版(2025年実績)速報」
*2: 矢野経済研究所「人材ビジネス市場に関する調査(2024年)」(ひとキャリ掲載データより
求職者のみを担当する「片面型」と、求職者と採用企業の両方を1人で担当する「両面型」があります。
完全成果報酬型のビジネスモデルが多く、転職が成約して初めて企業から手数料が発生します。
マイナビキャリアリサーチLabの2025年実績調査によると、正社員転職率は7.6%で、前年の7.2%から0.4ポイント上昇しています(*1)。
年代別では30代が9.0%(前年比+0.6ポイント)、40代が6.8%(前年比+0.7ポイント)と、ミドル層の転職加速が目立っています。
転職する人が増えれば、転職を支援するCAへの需要も自然と広がります。
「でも転職サイトが普及したから、エージェントを使わない人も増えているんじゃないか」と感じる方もいるかもしれません。
確かに情報収集の段階では、ダイレクト型サービスの利用が増えています。
ただし選考対策・年収交渉・入社判断など、判断が難しい局面になるほど「誰かに相談したい」というニーズは消えていません。
矢野経済研究所によると、人材サービス市場(人材派遣・人材紹介・求人広告等を含む)は2024年度に約9.8兆円、2025年度には10兆円超えの見込み(*2)。
2012年度の約7兆円台から比べると、10年余りで2兆円以上の市場拡大です。
背景にあるのは、少子高齢化による慢性的な人手不足と、終身雇用モデルの崩壊によって転職を前提としたキャリア設計が当たり前になってきたことです。
*2: 矢野経済研究所「人材ビジネス市場に関する調査(2025年)」
若い世代ほど、転職に対する心理的なハードルが下がっています。
20代正社員の転職率は12.0%と、全世代の中で最も高い水準です(*1)。
「最初の会社に定年まで」という価値観が薄れ、「より良い環境・年収・やりがいを求めて動くのが普通」という感覚が特に20〜30代に広がっています。
この意識変化が示すのは、CAという職業の需要が「一時的なブームではなく、構造的な変化に支えられている」ということです。
転職が文化として定着した社会において、一人ひとりの転職を支援するCAの存在意義は、これからも大きく揺らぐことはないと言えるでしょう。

市場が伸びているのは事実です。
しかし同時に、2024年度の人材紹介会社の倒産件数は92件と過去10年で最多を記録しました(*3)。
「市場が伸びているのになぜ倒産が増えるのか」と思われるかもしれませんが、理由は明確です。
市場の成長に乗れるCAと乗れないCAの差が、確実に広がっているからでしょう。
2024年以降、人材紹介業界へのAI活用が具体的な動きとして現れ始めています。
パーソルキャリアが運営するdodaは2024年4月に職務経歴書のAI自動作成機能をリリースし、株式会社ROXXは同年11月に音声対話型のAIキャリアアドバイザーサービスを開始しました。
「24時間いつでも求人提案が受けられる」というAIサービスが、すでに現実のものとなっています。
これを「他社の話」として見ていると危険です。
業界全体でAI活用が加速している中で、単純な求人提案や書類作成対応だけを行っているCAは、徐々にその仕事の意味を問われる時代に入っています。
業界に長くいると見えてくるのが、淘汰が始まるのは「仕事ができないCA」ではなく「御用聞き型CA」だということです。
御用聞き型CAとは、求職者から言われた希望条件をそのまま受け取り、データベースで検索して提案するだけのCAのことです。
「こういう仕事がしたい」「この条件で探してほしい」という言葉を条件に変換するだけで、対話が終わってしまうタイプを指します。
この動き方は、条件マッチングのアルゴリズムが最も得意とする領域です。
AIがこの作業を代替し始めたとき、御用聞き型CAが提供してきた価値は急速に薄れていきます。
「AIの方が速くて精度も高い」という事実に、誠実に向き合えるかどうかが、これからのCAの分かれ道だと考えています。
倒産件数の増加と並行して、人材紹介業への新規参入も続いています。
許認可さえ取れれば参入できるビジネス構造から、小規模事業者は全体の7割超を占めているとも言われています(*3)。
競合が多い中で生き残るためには、個人の信頼・専門性が以前より大きな意味を持つようになっています。「エージェントが何かしてくれる」から「このCAに頼みたい」へ。求職者に選ばれるCAかどうかが、差別化の核心です。
CAという職業の「やめとけ」論と比較しながら将来性を考えたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
CAという職業の淘汰が始まっている、というのはリアルな話です。
ただし、それはすべての人材紹介会社・すべてのCAに均一に当てはまるわけではありません。
アイジールジョブはCA職に特化したエージェントとして、将来性を磨きやすい職場環境の情報を保有しています。
CA専門だからこそ業界の実態を深く理解しており、担当者1人あたりの件数も10〜20名に絞って対応しています。
どんな職場でCAとして働くべきかも含めて相談したい方は、ぜひ一度アイジールジョブへご相談ください。

CA(キャリアアドバイザー)の仕事がAIに「すべて奪われる」わけではありません。
ただし業務によって、AIへの代替されやすさには大きな差があります。
どの業務がこれからも価値を持ち、どの業務が薄れていくかを整理しておくと、CAとしての働き方の方向性が見えやすくなります。
現時点でAIへの代替が進んでいる、あるいは進みやすい業務は以下のとおりです。
条件マッチング:スキル・経験・希望条件と求人のアルゴリズムマッチング
書類作成補助:職務経歴書のテンプレート生成・添削補助
求人提案:過去の転職データをもとにした求人リコメンド
日程調整:面接日程の調整・リマインド送付
FAQ対応:転職相談の定型的な回答(書き方・流れ・相場感など)
これらは「条件とデータを照合する」作業に近く、AIが最も得意とする領域です。
dodaのAI職歴書自動生成や、ROXXの音声AIエージェントが代替しているのも、まさにこのゾーンの業務と言えます。
一方で、以下の業務はAIへの代替が難しいと考えられています。
本音を引き出す面談:求職者が自分でも言語化できていない本音・迷い・不安を引き出す対話
複雑な状況判断:家庭環境・体調・人間関係など個別事情を踏まえた判断
信頼関係の構築:「この人に話したい」と思わせる人間的な安心感・共感力
採用企業との交渉:選考中の温度感・非公開情報・条件交渉の落とし所
入社後のフォロー:定着支援・入社後ギャップのケア
このゾーンに共通するのは、「言語化されていない情報を扱う」という点です。
求職者が「こう言っている」ことと「本当に感じていること」は違うことが多く、その差を察知して言語化できるCAが、AIにはできない価値を生んでいます。
同じ面談でも、御用聞き型と問題解決型では、アプローチがまったく異なります。
御用聞き型の面談では、「どんな仕事がしたいですか?」「条件はどのくらいですか?」と聞き、その答えをそのまま求人検索に使います。
問題解決型の面談では、「今の会社を辞めたいと思ったのはいつ頃からですか?」「その時、具体的に何があったんですか?」と掘り下げます。求職者自身が自覚していない本音を引き出していくのが、このアプローチの核心です。
求職者が口に出した言葉の「一歩後ろにある本音」を引き出せるかどうかが、AIと人間のCAを分ける最大の差です。
これまで多くのCAと一緒に働いてきた中で、トップパフォーマーと呼ばれる人たちの共通点はほぼ例外なく、この「本音を引き出す力」にありました。

将来も稼ぎ続けるCAになるために、今すぐ意識すべき条件は4つあります。
中でも最優先は「本音を引き出す面談力を磨くこと」です。
この力は、AIが最も代替しにくく、求職者が最も必要としているスキルです。
「本音を引き出す力」とは、求職者が自分でも整理できていない悩みや迷いを、対話を通じて言語化する力のことです。
習得には時間がかかりますが、今すぐ始められる具体的な習慣があります。
それは、毎回の面談の後に「今日の面談で本音を引き出せたか」を自己評価する習慣をつけることです。
評価軸は「話してもらえた内容の量」ではなく、「引き出せた本音の深さ」です。
「求職者が面談前は言語化できていなかったことを、面談後には整理できていたか」を問い続けることで、面談の質は確実に変わっていきます。
「相談したら気持ちが整理された」「この人にまた話したい」と思わせるCAは、AIには代替されません。
このような評価が長期に積み上がることで口コミ・再紹介・指名面談が増え、結果として稼ぎ続けられるCAとしての基盤ができていきます。
両面型CA(リクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを1人で担当する形態)の最大のメリットは、企業側のリアルな情報を持てることです。
採用担当者の人柄・選考でどんな人が落とされているか・現場が本当に求めているもの。こういった情報は、求人票には書いてありません。
片面型では得られない企業の内側の情報を持つことが、求職者への付加価値として直接つながります。
また、両面型を経験することで「自分が紹介している企業の選考プロセス」を自分ごととして理解できるようになり、求職者への面接対策の精度も上がります。
両面型の経験は、CAとしての専門性をワンランク高める最短コースの一つです。
すべての業界・職種を浅く広く扱うより、特定の領域に深く特化したCAの方が、AIとの差別化という観点では有利です。
特に注目したいのが、物流・建設・介護・看護などのエッセンシャルワーカー(社会インフラを担う現場職)系の領域です。
著者の肌感覚では、この領域は競合が少なく、件数が積み上がりやすい構造がある傾向があります。
大手が参入しにくい規模感の案件が多く、専門知識を持ったCAの希少価値が相対的に高くなりやすいと言えます。
一方で、大手ホワイトカラー系(ITエンジニア・マーケター・コンサルタントなど)の領域は、AIによる自動マッチングとの相性が良く、成約の難易度が上昇傾向にあるとも感じています。
「どの領域を主戦場にするか」は、CAとしての将来の稼ぎに影響する要素の一つとして、頭の片隅に置いておく価値があるでしょう。
AIを「仕事を奪う脅威」ではなく「業務を代替してくれるツール」として活用できるCAは、同じ時間でより多くの価値を生み出せます。
書類作成・求人検索・日程調整・FAQ対応をAIに任せることで、空いた時間を面談の準備・振り返り・深い対話に使う。
これが、AI時代に賢く生き残るCAの働き方です。
「AIに仕事を奪われる」と怯えるか、「AIで自分の時間を作り出す」と考えるか。
この視点の違いが、3〜5年後のCAとしての価値の差に現れてくると考えています。
将来も価値を出し続けるキャリアアドバイザーになれるかどうかは、「どの会社でどんな環境に身を置くか」にも大きく左右されます。
アイジールジョブはCA職に特化した転職エージェントとして、本音を引き出す面談力が磨ける職場・インセンティブ設計が透明な会社を含む非公開求人を保有しています。
CA職の将来性を踏まえながら会社選びを進めたい方は、ぜひ一度アイジールジョブへご相談ください。

キャリアアドバイザーとしての経験は、CA職を続ける場合にも、別の職種に転向する場合にも、有力な資産になります。
「将来性があるか」という問いを「CAに一生留まれるか」という意味だけで考える必要はありません。
「CA経験がその先のキャリア全体の武器になるか」という視点で見ると、より広い可能性が見えてきます。
CA職で培うヒアリング力・提案力・交渉力・数字管理・メンタル耐性は、多くの職種で高く評価されます。
採用する側の視点で言うと、特に評価が高いのは以下の職種です。
| 転職先 | CA経験が活きる理由 |
|---|---|
| 人事・採用担当 | 採用現場の裏側を知っており即戦力評価 |
| インサイドセールス | ヒアリング・提案・クロージングの流れが共通 |
| SaaS・IT営業 | 無形商材×KPI達成経験が高評価 |
| 経営・ITコンサルタント | 課題発見・提案の思考回路が直結 |
| M&A仲介 | 高単価無形商材の交渉営業として親和性が高い |
2025〜2026年は営業職全般で求人が旺盛な市場環境が続いており、CA経験者の転職は比較的しやすい状況にあると言えます。
CA職が他の職種と異なるのは、「人の感情を動かす無形商材の営業」を日常的に行っている点です。
条件が良いわけではない求人を求職者に納得してもらい、採用企業には採用を前向きに判断させる。
この経験は、SaaS営業・コンサル・人事など、あらゆる「人を動かす仕事」で直接的に活きます。
また、CA職は「月次で数字が出る」仕事でもあるため、KPIを意識した仕事の進め方を自然に身につけられます。
数字で自分の成果を語れることは、転職市場での評価につながりやすいスキルです。
CA経験は「自分の市場価値を上げながら働ける職種」として、長期的に考えると選択肢の広い職業と言えます。
CAとしての年収は、どのタイプの会社で働くか・どの領域を担当するかによって大きく異なります。
| 経験・会社タイプ | 年収レンジ目安 |
|---|---|
| 未経験・入社1〜2年目 | 300万〜400万円 |
| 経験3〜5年(中堅) | 400万〜600万円 |
| ハイパフォーマー・管理職 | 600万〜1,000万円以上 |
業界の感覚として、エッセンシャルワーカー特化の領域では、経験を積んで件数を上げられるようになると、年収1,000万円を超えるケースも出やすい傾向があります。
ただしこれはインセンティブが積み上がった例外的なケースであり、実際の年収は会社の報酬設計・担当職種・個人のパフォーマンスによって大きく異なります。
「年収の天井がどこにあるか」を入社前に確認しておくことを、収入の将来性を判断する第一歩にしていただければと思います。

キャリアアドバイザーはAIに仕事を奪われますか?
キャリアアドバイザーの10年後はどうなっていると思いますか?
将来性のある人材紹介会社の選び方は?
未経験でもキャリアアドバイザーに将来性はありますか?
【免責事項】
※本記事に記載の数値・事例は参考情報であり、個人の状況や転職先によって結果は異なります。転職の意思決定は、ご自身の状況を踏まえた上でご判断ください。
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監修者
株式会社アイジール 代表取締役
株式会社エス・エム・エスへの第二新卒での入社をきっかけに人材業界へ足を踏み入れる。その後、株式会社プレックスの創業メンバー・役員として約3年間、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを含む業務全般を経験。現在は株式会社アイジールにて、キャリアアドバイザーを中心とした人材・HR業界特化の人材紹介事業を運営しております。