人材業界への転職を検討していると、「離職率が高い」という話を必ず耳にします。
本当にそうなのか、入社してから後悔しないために確認しておきたいと考える方は多いでしょう。
結論から言えば、人材業界の離職率は全産業平均を上回る水準にあります。
ただし「人材業界=離職率が高い」と一括りにするのは正確ではありません。
セグメント(人材紹介・人材派遣・RPO)によって実態は大きく変わり、会社の選び方次第でも変わります。
本記事では、人材紹介3社の立ち上げを経験した著者が、データと現場感覚の両方から実態を整理します。
監修者
株式会社アイジール 代表
株式会社エス・エム・エスへの第二新卒での入社をきっかけに人材業界へ足を踏み入れる。その後、株式会社プレックスの創業メンバー・役員として約3年間、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを含む業務全般を経験。現在は株式会社アイジールにて、キャリアアドバイザーを中心とした人材・HR業界特化の転職エージェント事業を運営。
人材業界の離職率は実際何%か

人材業界の離職率は、複数の調査で「15%前後」と言われることが多い数値です。
ただし、この数値の一次ソースは確認が難しく、業界固有の公式統計は存在しません。
正確に理解するには、厚生労働省「令和6年雇用動向調査」のデータを参照するのが適切です。
人材業界が統計上分類されるのは「サービス業(他に分類されないもの)」という産業区分です。
この区分の令和6年上半期の離職率は10.9%で、全産業平均10.2%(令和6年上半期)をやや上回っています(*1)。
年間通算で見ると全産業計が14.2%(令和6年)であり(*2)、サービス業の区分は全産業を上回る水準が続いています。
厚生労働省の雇用動向調査において、人材紹介業・人材派遣業は「サービス業(他に分類されないもの)」に分類されます。宿泊・飲食・建設・製造・情報通信などに分類されない業種がここに含まれており、人材業界の実態を直接測る統計ではありません。
そのため「人材業界の離職率は○%」と断言できるデータは存在せず、業界の実態は働く人の経験・口コミから把握するしかない部分が大きくなっています。
全産業平均との比較で見えてくること
| 産業区分 | 離職率(令和6年上半期) |
|---|
| 全産業計 | 10.2% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 10.9% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 15.1% |
| 不動産業・物品賃貸業 | 7.1% |
| 製造業 | 5.3% |
*1: 厚生労働省「令和6年上半期雇用動向調査結果の概要」
*2: 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果(年間)」
宿泊業・飲食サービス業(15.1%)と比較すると、人材業界が属するサービス業(10.9%)はそれほど突出して高いわけではありません。
「人材業界は離職率が高い」という印象は、統計数値というより実体験・口コミから形成されている面が強く、数字と感覚値のギャップがある業界です。
厚労省の統計では「サービス業(他に分類されないもの)」が最も近い区分で、上半期10.9%。よく言われる「15%前後」は業界内の推計値で一次ソースは不明確。
ただし、どのセグメントに入るかで実態は大きく変わるため、数字だけで業界全体を判断するのは注意が必要です。
「15%前後」という数字の出どころ
複数のメディア記事で引用されている「人材業界の離職率15%前後」という数字は、特定の調査機関のデータではなく、業界内の経験談や複数のリサーチを元にした推計値と考えられます。
業界に長くいる立場から見ると、この数字は「人材紹介(エージェント)」に特化した体感値としては近いと感じます。
ただし、人材派遣・RPO等を含む人材業界全体として見ると、セグメントによって実態は大きく異なります。
「人材業界は離職率が高いのか?」という問いに対する正直な答えは、「人材紹介(エージェント)は高め、人材派遣のコーディネーターはそこまで高くない、RPOはセグメントの性質が異なる」です。
「人材業界全体」として語ることには無理があるため、次のセクションでセグメント別の実態を整理します。
離職率が高い3つの構造的な理由

人材業界の離職率が高い根本原因は「成果が出るまでの時間的ラグ」「三者の板挟み構造」「業務のリアルが入社前に見えにくい」の3点に集約できます。
いずれも業界の仕組み自体に起因しており、個人の能力や努力の問題ではありません。
入社前からこの構造を知っておくだけで、初期の山を乗り越えやすくなります。
成果が出るまでのラグが精神的負担になる
人材紹介(エージェント)の場合、入社直後は求職者の面談・架電・スカウト送付がメイン業務になります。
この時期は「やっていること」は多いのに、成果(成約)が出るまでに通常3〜6ヶ月かかります。
数字が積み上がる一方、「誰かの転職を成功させた」という実感がゼロの状態が続くのが、最初の壁です。
業界に長くいると見えてくるのが、この「手応えのない時期」に離脱する人の多さです。
成約が出る前に体力的・精神的に消耗してしまい、「自分には向いていない」と判断してしまうケースが後を絶ちません。
実際には、多くの場合は「向いていないのではなく、最初の成約前の時期がきつい」だけのことが多いのです。
人材業界以外の営業職と比較しても、「商品やサービスの納品で成果が出る」業種と違い、人材紹介は採用決定という不確実な結果に依存するため、成果までの時間が読みにくい特性があります。
「動いているのに数字が出ない期間」の長さが、他の業種よりも精神的負担になりやすい のが、離職率の高さにつながる構造的な理由の一つです。
求職者・企業・自社の三者調整が消耗する
人材業界の仕事の特徴は、求職者・採用企業・自社(エージェント)という三者の利益を一人で調整することにあります。
求職者の「この会社に入りたい」という希望と、採用企業の「こういう人材が欲しい」という要求が一致しないことは日常茶飯事です。
その間に立って、双方が納得できる着地点を探すのが業務の核心ですが、これが感情的な消耗につながりやすい構造になっています。
求職者からの「思っていた会社と違った」という不満も、採用企業からの「期待していた人材ではなかった」というフィードバックも、最終的にはエージェントが受け止めることになります。
この感情労働の蓄積が、特定のタイプの人には大きな消耗になりやすいのです。
「人の役に立ちたい」という動機で入った人が、この構造に適応できないと早期に離脱するケースが多いのも、現実としてあります。
また、音信不通(ゴースト)や直前のキャンセルなど、求職者から突然連絡が途絶えるケースも珍しくありません。
それまで積み上げてきた関係が一瞬で無効になる経験は、精神的な消耗に加えて数字的な損失にもなります。
この「コントロールできない部分の多さ」が、感情のコントロールが難しい人には特に消耗しやすい要因になっています。
入社前後のギャップが最大の離脱要因
人材業界の仕事のリアル(架電ノルマ・数字プレッシャー・感情労働)は、求人票や説明会では伝わりにくい部分です。
「人の転職を支援する」という仕事のイメージと、入社後の「テレアポ・架電・KPI管理」が中心の日常とのギャップが、入社後3〜6ヶ月での離脱の主因になっています。
自分自身がCA組織を運営してきて思うのは、「人と話すのが好き」「人の役に立ちたい」という理由で入ったにもかかわらず、最初の数ヶ月は電話とデータ入力が中心になるという現実を伝え切れていないことの多さです。
この乖離を入社前に理解しておくかどうかで、初期の耐性が大きく変わります。
ギャップを「知っていて入る」か「知らずに入る」かが、早期離職するかどうかの最初の分岐点とも言えます。
入社前後のギャップを最小化するために有効なのは、面接や選考の段階で「具体的な1日の業務フロー」「最初の3ヶ月に期待されることの具体的な内容」を確認することです。
「人の役に立てる仕事です」という表現にとどまる会社の説明と、「最初の2ヶ月は架電とスカウト送付が中心で、その後に面談が増えていきます」と具体的に説明できる会社では、入社後の満足度が大きく変わります。
離職率の高さは、こうした業界構造に起因している部分が大きく、個人の適性と会社の選び方次第で変えられる面も十分にあります。
人材業界への転職を検討している方は、まず自分がどのセグメントに向いているかを確認することが第一歩です。
人材業界の離職率は一律ではなく、どのセグメントに入るかと、入社後3〜6ヶ月をどう支えてくれる会社かで体感は大きく変わります。
アイジールジョブでは、CA職の現場感を踏まえて、離職しやすい会社の特徴や続けやすい環境の見極め方まで整理しながら相談できます。
人材業界に入るべきか迷っている方は、ぜひ一度アイジールジョブへ相談してみてください。
セグメント別に見ると離職率の差は大きい

「人材業界=離職率が高い」は正確ではなく、セグメントによって実態は大きく変わります。
人材紹介(エージェント)は成果報酬型のプレッシャーが最も強く離職が多い一方、人材派遣のコーディネーター職や急成長中のRPOは別の構造を持ちます。
どのセグメントを選ぶかで、働き続けやすさが変わります。
人材紹介(エージェント):成果ゼロ期間が長く、初期離脱が最も多い人材派遣(コーディネーター):業務が比較的定型的で安定しやすい
RPO(採用代行):専門性が求められるが、適性がある人には定着しやすい
人材紹介(エージェント・キャリアアドバイザー)
人材紹介で働くCA(キャリアアドバイザー)は、「採用が決まって初めて売上が立つ」成功報酬型のビジネスモデルに乗っています。
採用が決まるまでの期間、どれだけ面談しても・求人を紹介しても・求職者をサポートしても、数字は0のままです。
この「成果ゼロの期間」が長く続くことが、3セグメントの中で最も初期離脱が多い理由になっています。
特に入社3〜6ヶ月目は、テレアポ・架電・面談記録の入力を繰り返しながら数字を積み上げる時期です。
成約が出る前の「手応えのない状態」がいつまで続くかわからないという感覚が、精神的な消耗を大きくします。
一方で、最初の成約が出た後は「人の人生を動かせた」という体験が初めてできて、仕事の意味が見えてくる人が多いのも事実です。
大手片面型(求職者対応専門)のエージェントと、中小両面型(求職者・企業の両方を担当)のエージェントでも、仕事の性質が大きく異なります。
大手片面型は分業化が進んでいる分、自分の担当範囲が明確ですが、成果が見えにくい面もあります。
両面型は業務の幅が広い分、一人の求職者の転職を最初から最後まで追えるため、やりがいを感じやすいという意見も多いです。
人材派遣(コーディネーター)
人材派遣会社のコーディネーターは、登録スタッフ(派遣社員)と派遣先企業をマッチングし、派遣後もフォローを続ける役割を担います。
人材紹介との大きな違いは、「採用が決まることで終わり」ではなく、派遣後の継続的なフォローが業務に含まれる点です。
一度マッチングが決まれば継続的な関係が続くため、成果の出方が比較的安定しています。
業務の流れが定型化されている部分が多く、「毎月の業務ルーティン」が存在するため、慣れてくると業務のリズムがつかみやすい環境です。
人材紹介ほどの数字プレッシャーはなく、フロー業務をこなすことへの抵抗がない人には続けやすいセグメントと言えます。
ただし、業務の性質上「新規開拓よりも管理・フォロー」が中心になるため、積極的に新規営業をしたい人には物足りなさを感じる場合もあります。
また、コーディネーターが担当する登録スタッフ数は会社によって大きく異なります。
大手派遣会社では1人のコーディネーターが多数のスタッフを担当するため、個別対応が薄くなりがちです。
中小の派遣会社や特化型の会社では担当数が少なく、スタッフとの関係構築に時間をかけられる環境があります。
RPO(採用代行)
RPO(Recruitment Process Outsourcing/採用代行)は、企業の採用業務をまるごと代行するサービスです。
採用計画の立案から母集団形成・スカウト・選考管理・オファー交渉まで、採用の全フローに関わります。
2025〜2026年時点で急成長中のセグメントで、企業の採用需要の変化に乗る形で市場が拡大しています。
採用戦略の設計力が求められるため、未経験者には入りにくいセグメントです。
一方で、業務の達成感の構造が人材紹介・派遣とは異なり、「採用戦略全体を動かす」という広い視点でやりがいを感じられる人には定着しやすい傾向があります。
著者の肌感覚では、RPOでキャリアを積んでいる人は「採用そのものへの知的な興味」が強い人が多く、それが定着の理由になっているケースが多いと感じます。
RPOは人材紹介と並走して提供されることも多く、「人材紹介で積んだ経験をベースにRPOへシフトする」というキャリアパスを取る人も増えています。
どのセグメントに入るかは、自分のキャリアの方向性と合わせて選ぶことが重要です。
離職が集中する時期と、続けた先にあるもの

人材業界の離職が集中するのは入社後2〜4ヶ月目です。
架電ノルマをこなしながら成約ゼロが続く時期と「誰かの役に立てている実感がない」期間が重なります。
一方で最初の成約後から感覚が変わり、3年続けた人はヒアリング・提案・交渉スキルが体系化されて転職市場での評価が上がる傾向があります。
入社2〜4ヶ月目が最初の山
これまで多くのCAと一緒に働いてきた中で、入社後の離脱パターンには一定の傾向があります。
最も離脱が多いのは、入社後2〜4ヶ月目です。
この時期は、テレアポ・架電ノルマをこなしながら面談数を積み上げる段階で、「人の役に立てている実感」がほぼゼロのまま数字だけが積み上がる期間と重なります。
1件目の成約が出ないまま3〜4ヶ月が経つと、「自分には向いていないのかもしれない」という感覚に追い詰められやすく、この時期の離脱が最も多くなります。
正直なところ、現場の感覚としては、この時期に離脱する人の多くは「向いていない」のではなく、「最初の成約が出る前の時期を乗り越えられなかった」ケースがほとんどです。
2〜4ヶ月目のつらさは、向いていないサインではなく「最初の山」として捉えておくことが重要です。
この時期を支えるのは「入社後の教育体制」と「周囲のサポート」です。
会社の環境として「先輩が架電を一緒に確認してくれる」「ロールプレイの機会がある」「面談の振り返りをしてもらえる」といったサポートがある会社では、2〜4ヶ月目の山の高さが変わります。
会社選びの段階で、この時期のサポート体制を確認しておくことが、定着率を左右する大きな要因になります。
最初の成約後に変わること
最初の成約が出た後から、仕事の感じ方が変わる人が増えます。
「人の人生を動かせた」という体験が初めて得られ、この体験が継続の動機になるからです。
成約前は「KPIが積み上がるだけで誰かの役に立った実感がない」という感覚が続きますが、最初の成約後は「自分がこの人の転職を動かした」という手応えが初めてできます。
この手応えを1回でも経験すると、2回目・3回目の成約に向けた動き方がだんだんわかってきます。
最初の成約から2年目以降は「向いているかどうか」より「自分なりのやり方が確立できているか」が問われる段階に移行します。
業界に入ってよかったと感じる瞬間の多くは、この「最初の成約」の後に訪れます。
求職者から「あなたのおかげで、自分では見つけられなかった会社に入れた」と言われる経験は、他の営業職では得にくい種類の達成感です。
「転職という人生の大きな意思決定に関われる」というこの感覚が、業界で長く続けている人の多くが語るやりがいの核心です。
3年続けた人が得ること
人材業界で3年以上続けた人が、転職市場で高く評価される理由は明確です。
ヒアリング力・提案力・交渉力・数字管理・業界知識が体系的に身につき、これらは他の営業職では得にくいスキルセットになっています。
「入りやすく、続けるには覚悟が要る業界だが、3年続けた人が得をする」という構造は、人材業界の特徴のひとつです。
3年間の経験を積んだ後は、採用人事・HR tech・経営コンサルなど、多様なキャリアパスが開きます。
「離職率が高い業界」という見方は正しいですが、「3年続けた人の市場価値が上がる業界」という側面も等しく事実です。
この業界で3年続けるための最初のステップは、続けやすい会社を選ぶことです。
会社の環境次第で、2〜4ヶ月目の山の高さが大きく変わります。
次のセクションでは、離職率が低い会社の見分け方を整理します。
人材業界で続けられるかどうかは、個人の根性よりも、教育体制や担当数、インセンティブ設計の違いに左右される部分が大きいです。
アイジールジョブでは、CA職特化の視点で、求人票だけでは見えない職場環境や定着しやすい会社の特徴まで含めて相談できます。
今の環境を見直したい方や、離職率が低い会社を知りたい方は、ぜひ一度アイジールジョブへご相談ください。

離職率が低い会社の見分け方

離職率が低い人材会社に共通するのは「インセンティブ発生ラインが低い(月1〜2件から発生)」「入社後の教育体制が整っている」「入社後定着に責任を持つ姿勢がある」の3点です。
これらは求人票や口コミサイトには出ないため、面接の場で直接確認することが重要になります。
インセンティブ発生ラインを確認する
採用する側の経験から言えば、インセンティブの設計思想を見ると会社のCAへの向き合い方がよくわかります。
インセンティブが発生するまでに「月5件以上の成約が必要」という設計の会社は、大多数のCAがインセンティブをほとんど受け取れないまま働き続ける構造になります。
発生ラインが高い会社ほど、成果を出せない初期メンバーが消耗して離脱しやすい傾向があります。
面接では「インセンティブが発生するのは月何件成約からですか?」という一言で、会社の設計思想を確認できます。
この質問に対して「成約1〜2件から発生します」と答える会社は、CAが初期から手応えを感じながら働けるよう設計されています。
具体的な数字を答えられない・曖昧に濁す会社は、設計自体に問題がある可能性があります。
「インセンティブをエサにしてCAを消耗させる」設計の会社では、成果が出ないうちに精神的・財政的に限界が来て離脱するサイクルが繰り返されます。
発生ラインの低さは、会社が「CAを育てて長く働かせる気があるかどうか」を示す指標として機能しています。
教育体制の充実度を確認する
「自分でキャッチアップすべき」という思想で運営されている会社は、CA経験がない場合に相当大変になりやすいです。
人材紹介は経験者でも会社独自のルール・ツール・フローのキャッチアップに時間がかかるため、体制が整っている会社ほど立ち上がりが早く、結果的に離職率も低くなります。
確認したいのは「入社後のOJT期間の有無」「研修の具体的な内容」「ロールプレイや同行の機会の有無」です。
面接で「入社後の教育体制について教えてください」と具体的に聞いて、詳細に説明できる会社と曖昧な会社では、入社後の定着率に差が出やすいです。
「手取り足取り教えてもらう」ことを期待するのではなく、「体制があるかどうかを確認する」という目的で聞くことが重要です。
会社規模によっても教育体制の充実度は変わります。
大手は研修プログラムが整っている反面、画一的な内容になりやすいです。
中小・特化型のエージェントでは体制が薄い場合もありますが、少人数だからこそ先輩が直接教えてくれる環境もあります。
入社後フォロー体制を確認する
ホワイトな会社ほど「入社後定着」にも責任を持ち、入社後フォローの仕組みを持っています。
ブラックな会社は入社させれば手数料が入るため、入社後の定着に無関心な傾向があります。
長くいる人材会社で見てきた経験から言えば、長く働いているCAが多い会社は、内部で何かしら機能していると考えてよいです。
口コミサイトで「長期在籍者が多い」というコメントや、平均勤続年数が開示されている会社は参考になります。
面接では「入社後フォローについて教えてください」と一言聞くだけで、会社の姿勢が見えやすいです。
具体的なフォロー事例を持っている会社は、採用した側と転職した側の双方に責任を持って動いている証拠になります。
この質問に対して「入社後は基本自分でやってもらう」という返答が出てくる会社は、定着への意識が低い可能性があります。
人材業界を3年以上続けている人の共通点

人材業界を3年以上続けている人の共通点は「数字とやりがいを同じ方向のものとして捉えられること」にあります。
KPIを追いながら求職者の人生を動かしているという実感が両立できる人は、つらい初期の山を越えられることが多いです。
向いているかどうかは、入社前より入社後の体験でわかる部分が大きいのが実態です。
「数字の達成感」と「人の役に立つやりがい」を対立ではなく同じ方向のものとして整理できていること。KPI達成と求職者支援が「どちらかを裏切る」ではなく「両方が同時に達成できる」と捉えられる人が、消耗せずに続けられます。
数字と人をトレードオフにしていない
人材業界で燃え尽きる人のほとんどは、「数字(KPI)と求職者への誠実さ」を常にトレードオフとして感じ続けている人です。
「成約を急いでしまって、本当にその人に合っていたのかわからない」「数字のために動いているのか、人のために動いているのかわからない」という感覚が積み上がると、感情的疲労で消耗していきます。
一方、長く続けている人に共通しているのは、「数字を追うことと人の転職を成功させることは、本来同じ方向に向かうもの」という整理ができていることです。
求職者の転職が決まって感謝されること=数字が積み上がること、として両方が同時に達成されると感じられる人は、消耗が少なく続けやすいです。
この整理ができる人は、「この求職者にとってのベストな選択をすることが、長期的に自分の信頼につながる」という感覚で動けます。
短期的な数字のために無理に成約を急がず、求職者に本当に合った求人を紹介することが、結果的に紹介の質を上げてリピートや紹介につながる、という好循環を体感できている人が多いです。
「板挟み」を仕事の面白さとして捉えられる
求職者と採用企業の間に立つ「板挟み構造」を、苦痛として感じるか・仕事の面白さとして感じるかで、業界に向いているかどうかが決まります。
「双方の橋渡しができること」に満足感を感じられる人は、この構造を活かして長く働けます。
板挟みのつらさを感じる人が向いていないのではなく、それを「仕事の醍醐味」に転換できるかどうかが分岐点になります。
「どちらの立場にも立てる人間として価値を発揮できている」という感覚が持てる人は、離脱せずに続けられる傾向があります。
「板挟み」という状況は、見方を変えると「双方の視点を持てる希少な立場」でもあります。
求職者が言語化できていない転職の軸を引き出し、採用企業が求める人物像を深く理解した上でマッチングを設計できる人は、AI代替が難しい部分の価値を発揮できます。
この「人が仲介することの意味」を感じられる人が、業界で長く活躍できる人の共通点のひとつです。
今の自分がどちらに近いかを確認する
すでに人材業界で働いていて「辞めようか続けようか迷っている」という方は、以下の問いかけを自分にしてみてください。
「向いているかどうか」は入社前より入社後の経験からわかることの方が多く、判断を急ぐ必要はないことが多いです。
向いているかどうか迷っている方や、今の職場環境を変えたいと考えている方は、CA職専門のエージェントに話してみることで、業界内部の情報をもとに判断しやすくなります。
アイジールジョブは、CA職専門として向き不向きを含む本音の相談に対応しています。
向いているかどうか正直に話せる環境で判断したい方は、ぜひ一度アイジールジョブへご相談ください。
人材業界の離職率に関するよくある質問

A人材業界固有の公式統計は存在しませんが、業界が属する「サービス業(他に分類されないもの)」の離職率は令和6年上半期で10.9%(厚生労働省「令和6年上半期雇用動向調査」)です。業界内では「15%前後」と言われることが多いですが、一次ソースが確認できていない推計値のため、断定はできません。
セグメント(人材紹介・人材派遣・RPO)によって実態は大きく異なるため、業界全体の数字で判断するより、どのセグメントに入るかを確認することが重要です。
A主な理由は3つです。①成果(成約)が出るまでの時間的ラグ(入社後3〜6ヶ月は成約ゼロが続くことが多い)、②求職者・採用企業・自社の三者の利益を一人で調整する感情労働の消耗、③入社前後の業務イメージのギャップ(架電・テレアポが中心という現実が伝わりにくい)です。
これらは業界の仕組みに起因しており、入社前に理解しておくことで初期の耐性が変わります。
A最初の1〜2年は確かに難しい時期があり、特に入社後2〜4ヶ月目が最も離脱が多い時期です。ただし、最初の成約が出た後から仕事の感じ方が変わる人が多く、3年続けた人はヒアリング・提案・交渉スキルが体系化されて転職市場での評価が上がる傾向があります。
「難しいかどうか」は個人の適性よりも、会社の環境(インセンティブ設計・教育体制)の影響が大きいです。
A大手人材会社は研修体制・福利厚生が整っているため、入社初期のサポートは厚い傾向があります。ただし、KPI管理が徹底されており、数字プレッシャーの大きさは大手でも変わりません。
中小・特化型のエージェントは裁量が大きく、早期に成約を経験できるケースもあります。
大手か中小かよりも、インセンティブ設計・教育体制・入社後フォロー体制を個社単位で確認することが、実際の定着率を上げる判断につながります。
A人材業界で3年以上経験を積んだ場合、転職市場での評価は高い傾向があります。ヒアリング力・提案力・交渉力は汎用性が高く、採用人事・HR Tech・経営コンサル・一般法人営業など多様なキャリアパスが開きます。
逆に、1〜2年未満で離脱した場合は汎用スキルの積み上げが浅くなるため、3年を目安として働くと、その後の転職の選択肢が広がります。
【免責事項】
※本記事に記載の数値・事例は参考情報であり、個人の状況や転職先によって結果は異なります。転職の意思決定は、ご自身の状況を踏まえた上でご判断ください。