人材紹介を辞めたいと検索している時点で、月末の数字や内定辞退にかなり疲れているはずです。
結論から言えば、辞めたいと感じること自体は珍しくありません。
ただし、すぐ退職するか我慢するかの二択で決めると、次の職場でも同じ悩みにぶつかることがあります。
人材紹介3社立ち上げと組織運営の経験から、辞めていいサイン、続ける余地、経験を活かせる転職先を整理します。

人材紹介を辞めたいと検索している時点で、月末の数字や内定辞退にかなり疲れているはずです。
結論から言えば、辞めたいと感じること自体は珍しくありません。
ただし、すぐ退職するか我慢するかの二択で決めると、次の職場でも同じ悩みにぶつかることがあります。
人材紹介3社立ち上げと組織運営の経験から、辞めていいサイン、続ける余地、経験を活かせる転職先を整理します。

監修者
株式会社アイジール 代表
株式会社エス・エム・エスへの第二新卒での入社をきっかけに人材業界へ足を踏み入れる。その後、株式会社プレックスの創業メンバー・役員として約3年間、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを含む業務全般を経験。現在は株式会社アイジールにて、キャリアアドバイザーを中心とした人材・HR業界特化の転職エージェント事業を運営。

人材紹介を辞めたいと感じたら、まず「人材紹介そのものが合わない」のか、「今の会社が合わない」のかを分けて考えることが大切です。
今のつらさが会社の問題か、自分の成長途中の壁か、担当領域との相性かを分けると、後悔しにくい判断ができます。
人材紹介とは、求職者と採用企業の間に入り、転職と採用の成立を支援する仕事です。
現場ではキャリアアドバイザー、リクルーティングアドバイザー、両面型営業などがあり、支援と営業成果の両方を見ながら動きます。
両面型は、求職者側と企業側の両方を1人で担当する働き方です。
仕事や職業生活に強い不安、悩み、ストレスがある労働者は68.3%で、ストレス内容は「仕事の量」43.2%、「仕事の失敗、責任の発生等」36.2%、「仕事の質」26.4%が上位です。
人材紹介の悩みも、数字、責任、仕事の質が重なりやすいからこそ、自分だけが弱いわけではないと捉えてください(*1)。
辞めるかどうかの判断で最初に見るべきなのは、「同じ環境で成果を出し、納得して働いている人がいるか」です。
いるなら改善余地も残りますが、いないなら会社や領域の問題を疑ってよいでしょう。

人材紹介を辞めたい理由は、単に忙しいからだけではありません。
KPI未達、内定辞退、求職者と企業の板挟み、夜間対応、報酬不満が重なると、「人の役に立ちたい」という入社時の気持ちまで揺らぎやすくなります。
KPIとは、面談数、推薦数、応募承諾数、成約数など、成果につながる行動を追う指標です。
月末までにあと1件、推薦数が足りないと詰められると、仕事の目的が数字の穴埋めに見えてくることがあります。
人材紹介では、面談数、求人提案数、応募数、推薦数、内定数、成約数などがKPIになりやすいです。
数字があること自体は悪くありませんが、数字だけで人を見る会社では疲弊しやすくなります。
ただ、KPIがあるからこそ改善点が見える面もあります。
成果を出している同僚が同じ数字をどう扱っているかを見ると、続ける余地があるかどうか判断しやすくなります。
求職者は「もっと良い条件で転職したい」と考え、企業は「できるだけ条件に合う人を採用したい」と考えます。
その間に入る人材紹介の担当者は、双方の希望を聞きながらも、現実的に通るラインを伝えなければなりません。
実際に人材紹介の現場で感じてきたのは、数字のプレッシャーよりも期待を裏切る瞬間の方が重いということです。
求職者に良い話をした直後に企業から不採用連絡が来たり、企業へ推薦した直後に求職者が辞退したりすると、自分が両方に申し訳ないと感じやすくなります。
人材紹介では、求職者が仕事を終えた後に面談や電話が入りやすくなります。
日中は企業対応、夕方以降は求職者面談、夜は書類作成や日程調整という流れが続くと、退勤しても気持ちが切れません。
特にホワイトカラー系の担当では、求職者が平日昼に動けず、夜の面談や休日連絡が重なりやすいです。
働く時間帯が読みにくいことは、求人票だけでは見えにくい負担です。
内定が出た瞬間は大きな達成感があります。
しかし、入社直前の辞退や入社後すぐの離職が起きると、面談、推薦、日程調整が一気に崩れたように感じます。
人材紹介は、入社後の定着まで信頼に関わる仕事です。
だからこそ、自分ではどうにもできない意思決定に振り回される感覚が積み重なると消耗します。
「人の役に立ちたい」と思って入社したのに、実際には売上、成約、単価、紹介料の話ばかりだと、仕事の意味が見えにくくなります。
求職者に本当に合う求人よりも、今月決まりやすい求人を勧めている気がして苦しくなる人もいるでしょう。
一方で、人材紹介は採用決定で企業から報酬を受けるビジネスです。
求職者のためだけでも、売上のためだけでも長続きしにくい仕事なので、三者の利益をどう重ねるかを考えられるかが分岐点になります。
人材紹介は成果報酬型のビジネスなので、成果に応じたインセンティブがある会社も多いです。
ただ、固定給が低い、インセンティブ発生ラインが高い、評価基準が曖昧という状態だと、頑張っても報われない感覚が強くなります。
マイナビ転職の2025年版ランキングでは、人材コーディネーターのモデル年収は572万円です(*2)。
ただし、実際の年収は報酬設計、担当領域、成果で変わるため、平均値だけで判断しないことが大切です。
*2: マイナビ転職「2025年版 職種別モデル年収平均ランキング」
人材紹介のきつさは、担当件数、報酬設計、扱う職種、教育体制で変わります。
仕事自体を嫌いになりきれていないなら、同業内で改善する余地もあります。

人材紹介を辞めていいのは、個人の努力では変えられない問題がある会社です。
後出し評価、ハラスメント、残業代未払い、周囲全員の疲弊、求職者の利益を損なう方針があるなら、環境を変える判断も正当です。
| サイン | 見るべきポイント | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 評価の後出し | 成約後に条件が変わる | 会社責任の可能性が高い |
| 成果者も辞める | 上位者が残らない | 構造的に厳しい |
| 顧客利益を損なう | 合わない求人を強く勧める | 早めに離れる選択もあり |
| 法令違反やハラスメント | 残業代未払い、暴言、過度な詰め | 相談窓口や転職を検討 |
入社前は「成果に応じて還元する」と聞いていたのに、成約後にインセンティブの条件が変わる会社は注意が必要です。
特に、発生ライン、支給時期、返金時の扱い、個人売上とチーム売上の評価比率が曖昧なまま働いていると、成果が出た後に不満が爆発しやすいです。
求人票に「インセンティブ上限なし」と書かれていても、月何件以上の成約が必要なのかを確認しないと判断できません。
頑張れば稼げるは、制度が透明な会社で初めて意味を持つ言葉です。
辞めるべきか迷った時は、自分だけではなく、同じ環境で成果を出している人が残っているかを見てください。
成果者が長く働き、納得しているなら、自分のやり方を変える余地があるかもしれません。
反対に、成果を出している人ほど早く辞める、上位者がいつも疲れている、マネージャーが定着していない会社は危険です。
うまくいっている人すら残れない環境なら、個人努力だけで解決するのは難しいでしょう。
求職者の希望や企業の採用背景を無視して、決まりやすい求人だけを押し込む方針がある場合、長く働くほど苦しくなります。
短期的には売上につながっても、信頼が崩れるため、現場の担当者が板挟みになります。
人材紹介は、採用が決まれば企業から報酬を受ける成功報酬型の仕事です。
ただし、売上だけを見て信頼を失う会社では、自分の仕事への誇りも持ちにくくなります。
人材紹介では、求職者が入社して初めて売上になるケースが一般的です。
この仕組みがあるため、担当者には成果目標が生まれますが、求職者や企業の利益を無視してよい理由にはなりません。
残業代が支払われない、有給が取れない、人格否定のような詰めがある場合は、仕事の向き不向き以前の問題です。
体調に影響が出ているなら、休職、労働相談窓口、医療機関への相談も選択肢に入れてください。
厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、全産業の離職率は14.2%、サービス業の一般労働者の離職率は19.0%です(*3)。
人材紹介単体の離職率ではありませんが、人を相手にするサービス業では入れ替わりが起きやすいという前提は押さえておくとよいでしょう。

すぐ辞める前に、同じ環境で成果を出している人がいるかを確認しましょう。
成果者の動き方、KPI分解、担当領域の変更を試しても改善しない場合は、転職を検討しやすくなります。
辞めたい気持ちが強い時ほど、上司ではなく、実際に成果を出している同僚に話を聞いてみてください。
「どの時間帯に架電しているか」「面談前に何を準備しているか」を聞くだけで、自分の詰まりどころが見えることがあります。
複数社の立ち上げを通じて感じてきたことですが、成果が出る人は特別な才能だけで動いているわけではありません。
小さな改善を積み重ねている人が多く、真似できる行動が1つでもあるかを見つけることが最初の一歩になります。
「今月あと1件成約」と言われると重く感じますが、今日やることまで分けると少し動きやすくなります。
たとえば、面談3件、求人提案10件、応募意思確認5件、推薦3件のように、行動単位へ落とし込むイメージです。
KPIを分けても成果が出ない場合は、量ではなく質の問題かもしれません。
面談で本音を引き出せているか、求人を出す理由を説明できているか、断られた理由を次の提案に活かしているかを見直しましょう。
ホワイトカラー領域で苦しんでいる人が、エッセンシャルワーカー特化や両面型に移って働きやすくなることがあります。
逆に、両面型で切り替え負荷が大きすぎる人は、片面型や法人担当に寄せることで負担が軽くなるかもしれません。
人材紹介を辞めたい理由が、仕事内容そのものではなく、担当領域、上司、商材、働き方との相性なら、社内異動や同業他社で解決できる可能性があります。
退職届を出す前に、異動や担当変更の相談ができる環境かを確認しておくとよいでしょう。
報酬に不満がある場合は、自社だけを見ていても判断しにくいです。
同じ売上を出した時に、他社ではどのくらいの年収になるのかを比較すると、問題が見えやすくなります。
正直なところ、現場の感覚としては、インセンティブ設計の良し悪しは求人票だけではほとんどわかりません。
入社半年後の年収実例や、未経験者の立ち上がり期間を聞けるかどうかが、会社の透明性を測る材料になります。
眠れない、食欲がない、朝になると動けない、仕事の連絡音だけで動悸がする状態なら、努力で乗り切ろうとしない方がよいです。
人材紹介を続けるか辞めるかの判断は、心身がある程度回復してからでも遅くありません。
「今辞めたら迷惑がかかる」と感じる人ほど、責任感が強い傾向があります。
ただ、消耗し切った状態では良い支援も良い営業もできないため、休むこともキャリアを守る選択です。
今の会社を続けるべきか、同業他社を見るべきかは、外から比較しないと見えにくいものです。
アイジールジョブは、運営会社の株式会社アイジールが提供する転職支援です。
報酬設計や担当領域も聞けます。
他社環境を判断材料にしてください。

人材紹介を辞めたい理由が会社や領域との相性なら、業界を離れなくても改善する場合があります。
扱う職種、片面・両面、インセンティブ設計、育成体制が変わるだけで働きやすさは変わります。
人材紹介の仕事自体は嫌いではないのに、今の会社の上司、評価制度、担当領域が合わないなら、同業他社への転職は現実的です。
厚生労働省の令和6年度職業紹介事業報告書では、有料職業紹介事業所は30,561事業所、常用就職件数は888,993件、手数料収入は約9,835億円です(*4)。
事業所数が多い分、会社ごとの差も大きくなります。
今の会社だけを見て人材紹介全体を嫌いになる必要はない一方で、同業転職では「何が嫌だったのか」を言語化してから動くことが大切です。
*4: 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」
ホワイトカラー総合型で疲れている人は、特化型エージェントを見る価値があります。
物流、建設、介護、看護などでは、求職者と企業のニーズが明確で、成約までの流れが早い会社もあります。
ただし、特化型なら必ず楽という話ではありません。
扱う職種に関心を持てるか、教育体制があるかまで見ないと、同じ悩みが残ることもあります。
キャリアアドバイザーとして求職者対応に疲れている人でも、法人担当に移ると力を発揮できることがあります。
企業の採用課題を聞き、求人要件を整理し、採用戦略を考える方が向いている人もいるでしょう。
一方で、両面型は求職者と企業の両方を担当するため、きつさも増えます。
ただ、企業の採用背景を自分で理解できる分、求人票にない情報を求職者へ伝えやすいというやりがいがあります。
人材紹介から離れても、HR領域に残る選択肢はあります。
RPO(採用代行)、採用広報、採用コンサル、HRテック、人事SaaSなどは、採用知識を活かしやすい領域です。
矢野経済研究所の2025年調査では、2024年度の人材関連ビジネス主要3業界市場は9兆7,962億円、ホワイトカラー職種の人材紹介業市場は4,490億円で前年度比12.0%増でした(*5)。
dodaの2026年3月転職求人倍率レポートでも、転職求人倍率は2.39倍、求人数は前年同月比9.2%増で、人材サービスの求人数は前月比102.1%と業種別で最も増加率が大きいとされています(*6)。
市場が伸びているからこそ、人材紹介を辞めるとしても、採用やHRの経験を捨てる必要はありません。
業界内で役割を変えるだけで見える景色が変わることもあります。
*5: 矢野経済研究所「人材ビジネス市場に関する調査 2025年」

人材紹介を辞めても、面談力、提案力、法人折衝、数字管理の経験は多くの職種で評価されます。
採用人事、法人営業、SaaS営業(クラウド型ソフトウェアの法人営業)、インサイドセールス、カスタマーサクセスは経験を説明しやすい転職先です。
| 転職先 | 活かせる経験 | 注意点 |
|---|---|---|
| 採用人事 | 候補者対応、採用要件理解 | 労務や制度設計は別スキル |
| 法人営業 | 企業折衝、提案、数字管理 | 商材理解が必要 |
| SaaS営業 | 無形商材提案、KPI改善 | プロダクト知識が必要 |
| インサイドセールス | 架電、ヒアリング、アポ獲得 | 分業型の働き方に慣れる必要 |
| カスタマーサクセス | 顧客伴走、課題整理 | 既存顧客支援の視点が必要 |
| HRコンサル | 採用課題整理、提案 | 戦略設計力が求められる |
人材紹介からの転職先で多いのが、事業会社の採用人事です。
候補者が何に迷うか、エージェントがどう動くかを知っているため、採用現場では即戦力として見られやすくなります。
ただし、採用人事は人材紹介より楽とは限りません。
採用計画、社内調整、面接官とのすり合わせなど、社内を動かす力が必要です。
採用だけでなく、配置、育成、組織づくりまで関わることがあります。
人材紹介経験者がすぐに就けるとは限りませんが、採用人事から広げていけるキャリアの一つです。
人材紹介で企業とやり取りしてきた人は、法人営業でも経験を説明しやすいです。
採用課題を聞き、要件を整理し、候補者を提案してきた経験は、無形商材の営業と近い部分があります。
特にSaaS営業では、KPI管理、商談前準備、課題ヒアリング、提案後のフォローが重視されます。
人材紹介で数字と感情の両方を扱ってきた経験は、商材が変わっても活かしやすいでしょう。
インサイドセールスは、電話やオンラインで見込み顧客に接点を作る仕事です。
人材紹介で架電、面談設定、温度感確認をしてきた人なら、行動量とヒアリング力を活かせます。
カスタマーサクセスは、契約後の顧客が成果を出せるように伴走する仕事です。
求職者や企業の不安を拾ってきた経験がある人は、相手を動かすコミュニケーションを評価されやすいと言えます。
HRコンサルやRPOは、企業の採用活動を外部から支援する仕事です。
求人票を作る、選考フローを整える、スカウト文面を改善するなど、人材紹介で見てきた採用現場の知識が活きます。
一方で、実行だけでなく設計力も求められます。
求人を紹介する人から、採用の仕組みを整える人へ移る意識が必要になるでしょう。
人材紹介経験を積んだ後、同業他社のマネージャーや独立を目指す道もあります。
両方を経験している人は、求人獲得、求職者集客、マッチング、定着支援まで全体を見やすくなります。
ただし、独立は許可取得だけでなく、企業開拓と求職者集客を同時に進める必要があります。
人材紹介が好きかどうかだけでなく、売上が立たない期間の資金計画や特化領域まで考えて判断してください。

人材紹介を辞めたい時は、理由を言語化し、在職中に選択肢を比較するのが現実的です。
体調や法令リスクがある場合を除けば、次の職種や会社を見てから判断した方が焦りを減らせます。
人材紹介を辞める人は多いですか
特に入社2〜4ヶ月目や初成約前は、数字だけが積み上がり、役に立っている実感が薄くなりやすい時期です。
何ヶ月で辞めるのは早すぎますか
そうでなければ、最初の成約前後まで見てから判断すると、仕事そのものが合わないのか、立ち上がりの壁なのかを分けやすくなります。
人材紹介から人事に転職できますか
候補者対応、採用要件の理解、選考中の離脱防止、エージェント対応の経験は評価されやすいです。
ただし、社内調整や採用計画の運用も求められるため、採用実務以外の学習も必要です。
同業他社に転職しても同じですか
仕事内容自体は嫌いではないのに、今の会社の制度や上司が合わない場合は、同業内で改善する可能性があります。
退職理由は面接でどう話すべきですか
「数字を追う中で採用全体に関わりたいと思った」など、次の仕事につながる言葉に変えると伝わりやすくなります。
【免責事項】
※本記事に記載の数値・事例は参考情報であり、個人の状況や転職先によって結果は異なります。転職の意思決定は、ご自身の状況を踏まえた上でご判断ください。
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監修者
株式会社アイジール 代表取締役
株式会社エス・エム・エスへの第二新卒での入社をきっかけに人材業界へ足を踏み入れる。その後、株式会社プレックスの創業メンバー・役員として約3年間、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを含む業務全般を経験。現在は株式会社アイジールにて、キャリアアドバイザーを中心とした人材・HR業界特化の人材紹介事業を運営しております。